遠赤外線カメラ VIM640AT

【カメラ型番変更のお知らせ】

このたび、弊社赤外線カメラの型番を変更させていただく事になりました。

詳細につきましては、ラインナップ型番 変更一覧 [PDF] をご確認下さいますよう、お願い申し上げます。

遠赤外線カメラ
VIM640AT

1. 概要

従来の 遠赤外線カメラ VIM640G2 に 低価格センサ「ATTO640(ピクセルピッチ 12μm)」を搭載することで、 使用可能なレンズが増え、お求めやすい価格で弊社製品を提供することが可能となりました。

遠赤外線カメラ VIM640G2 に「PICO640」「ATTO640」の各センサを搭載し、比較を行ないました。

遠赤外線カメラ VIM-640G2 カメラ本体

2. センサ仕様

項目 仕様
センサ型番 PICO640-046 ATTO640
ピクセルピッチ 17μm × 17μm 12μm × 12μm
エリア有効画素数 640 × 480 ピクセル
感度波長 8~14μm
受光面サイズ 10.88mm × 8.16mm
(イメージサークルφ13.6mm)
7.68mm × 5.76mm
センサNETD
300K F/1.0 30Hz
< 50mK < 60mK
ダイナミックレンジ 50℃以上 @300K F/1.0 30Hz 70℃以上 @300K F/1.0 30Hz
有効画素 99.5%以上
動作温度 -40℃ ~ +85℃

3. カメラ仕様

項目 仕様
カメラ型番 VIM640G2 VIM640AT
センサ PICO640-046 ATTO640
画素数 640 × 480 ピクセル
カメラNETD
300K F/1.0 30Hz
< 60mK(※1) < 70mK(※1)
フレームレート 30fps (固定)
TEC なし
カメラ補正方式 シャッタレス補正 または 内部シャッタ補正
シャッタ シャッタレスタイプ
or
センサ前シャッタ内蔵タイプ
シャッタレスタイプ
キャリブレーション
テーブル
1シーン(最大4シーンまで対応可能)
電源 【電源】5V 0.5A / 【シャッタ用電源】5V 2A
シーン温度範囲 標準:-20 ~ +120℃
オプション:50 ~ 500℃まで対応可能
(その他の温度レンジについてはご相談下さい)
温度動作 -10℃ ~ +50℃(結露なきこと)
保存温度 -25℃ ~ +50℃(結露なきこと)

(※1) レンズやシーン温度範囲や動作温度範囲によっては、達成できない場合があります。

4. MTF比較

MTF(モジュレーション トランスファー ファンクション)とは…

レンズの性能を評価する指標のひとつです。
MTFの値が高いほど、高分解能のレンズとなります。

高分解能のレンズを使用すれば、対象物が鮮明に映りますが、
センサのピクセルピッチによって、
同じレンズを使用した場合でもMTFは大きく異なります。

グラフ「MTF曲線」

MTF値の計算方法 MTF=(MAX-MIN)/(MAX+MIN)

撮影風景

実際に実装センサの違うカメラに同じレンズ(19㎜ f/1.0)を装着し、 縞模様を撮影することで映り方の違いをご覧頂きます。

画像「被写体 拡大」

  • 黒濃度:25.3℃
  • 白濃度:22.3℃

画像「被写体の撮影風景」

  • VIM640G2 → 被写体(までの距離):1.9M
  • VIM640AT → 被写体(までの距離):2.7M
センサ MTF値 比較
VIM640G2
ピクセルピッチ:17μm×17μm
MTF:55%
画像「VIM640G2で縞模様を撮影した時」
MTFグラフ「VIM640G2 撮影時」
VIM640AT
ピクセルピッチ:12μm×12μm
MTF:41%
画像「VIM640ATで縞模様を撮影した時」
MTFグラフ「VIM640AT 撮影時」

MTFの値の違いで、映像の鮮明差が確認できます。

5. 水平画角比較

各センサ搭載のカメラに、「19ミリ F値1.0」レンズを装着し、弊社のある建物から撮影しました。撮影することで、水平画角の違いをご覧いただきます。

可視カメラ可視カメラでの撮影画像

VIM640G2VIM640G2 カメラでの撮影画像

VIM640ATVIM640AT カメラでの撮影画像

VIM640G2
ピクセルピッチ:17μm×17μm
レンズ:19㎜ f/1.0
画像「VIM640G2 カメラでの撮影」
図「VIM640G2 カメラでの撮影時の水平画角 約32°」
計算式から求めた結果:水平画角 約32°
VIM640AT
ピクセルピッチ:12μm×12μm
レンズ:19㎜ f/1.0
画像「VIM640AT カメラでの撮影」
図「VIM640AT カメラでの撮影時の水平画角 約23°」
計算式から求めた結果:水平画角 約23°

センサごとに、水平画角の違いが明確です。

6. 顕微鏡レンズでの比較

実装センサの違うカメラに同じレンズ(顕微鏡レンズ:倍率3倍)を装着し、解像度チャートを撮影して、映り方の違いをご覧いただきます。

MBS-3L08
倍率:3×
WD:60mm
実効分解能:9.8μm/pix

写真「レンズ MBS-3L08」

画像「倍率3倍 顕微鏡レンズ MBS-3L08 装着風景」

顕微鏡レンズを使用する場合、
波長分解能MTF の両方を考慮する必要があります。

波長分解能の定義

波長より小さい物は見えません。​

遠赤外線センサの感度波長は8~14μmなので​計算で求められる分解能と実際に見える分解能は違ってきます。

遠赤外線センサの感度波長域

グラフ「遠赤外線センサの感度波長域」

3倍レンズ装着時の感度波長域

グラフ「3倍レンズを使用した遠赤外線センサの感度波長域」

例えば…

ピクセルピッチ17μmのセンサに
3倍レンズを組合せると 波長分解能は 3倍レンズ17 ÷ 3 = 約5.67 μm に変化します。

しかし、
遠赤外線センサが捉える波長域は8~14μmなので、
捉えられる領域が変化する訳ではありません。

実験する為の解像度チャートの見方

解像度チャートの数字は1ミリメートルの間にある、白バーと黒バーのペアの数です。

チャート26の場合、白が26本、黒が26本となっており、1つのバーの幅は、計算上、0.019ミリメートル(=19μm)となります。

画像「解像度チャート チャート26 撮影時」

画像「解像度チャート 実物」

波長分解能比較
VIM640G2

画像「VIM640G2 撮影時の解像度チャート」

VIM640AT

画像「VIM640AT 撮影時の解像度チャート」

チャート51

1/51x2 = 1/102
= 0.0098mm = 9.8μm

グラフ「チャート51」

チャート40

1/40x2 = 1/80
= 0.0125mm = 12.5μm

グラフ「チャート40」

チャート32

1/32x2 = 1/64
= 0.0156mm = 15.6μm

グラフ「チャート32」

波長分解能はセンサに依存せず、VIM640G2VIM640ATとで
違いはありません。

MTF比較(顕微鏡レンズ使用ver)

顕微鏡レンズを使用して、解像度チャートを撮影した場合のMTF比較をご覧いただきます。

可視カメラ画像「解像度チャート 実物」

VIM640G2画像「VIM640G2 で、解像度チャート撮影画像」

VIM640AT画像「VIM640AT で、解像度チャート撮影画像」

VIM640G2 VIM640AT

ピクセルピッチ:17μm×17μm

感度波長:8μm~14μm

ピクセルピッチ:12μm×12μm

感度波長:8μm~12μm

画像「PICO640 で、解像度チャート チャート20 撮影時」

写真「PICO640 で、解像度チャート チャート20 撮影時のMTFグラフ」

画像「VIM640G2 で、解像度チャート チャート20 撮影時」

写真「VIM640AT で、解像度チャート チャート20 撮影時のMTFグラフ」

画像「PICO640 で、解像度チャート チャート45 撮影時」

写真「PICO640 で、解像度チャート チャート45 撮影時のMTFグラフ」

画像「VIM640G2 で、解像度チャート チャート45 撮影時」

写真「VIM640AT で、解像度チャート チャート45 撮影時のMTFグラフ」

MTFの値の違いで、映像の鮮明差が確認できます。

撮像エリア比較
VIM640G2 VIM640AT

ピクセルピッチ:17μm×17μm

撮像エリア:横 3.63mm / 縦 2.72mm

(横:640 x (17÷3)μm → 3.63mm)

(縦:480 x (17÷3)μm → 2.72mm)

画像「VIM640G2 撮像エリア 3.63mm x 2.72mm」

ピクセルピッチ:12μm×12μm

撮像エリア:横 2.56mm / 縦 1.92mm

(横:640 x (12÷3)μm → 2.56mm)

(縦:480 x (12÷3)μm → 1.92mm)

画像「VIM640AT 撮像エリア 2.56mm x 1.92mm」

画像「VIM640G2 で、解像度チャート撮影画像」

画像「VIM640AT で、解像度チャート撮影画像」

7. 比較まとめ「VIM640G2」「VIM640AT」

  VIM640G2   VIM640AT
単焦点レンズ MTF比較 PVIM640G2 VIM640AT
単焦点レンズ 水平画角 広い(広角)   狭い(望遠)
顕微鏡レンズ 波長分解能 同じ
顕微鏡レンズ MTF比較 VIM640G2 VIM640AT
顕微鏡レンズ 撮像エリア 広い   狭い
価格 VIM640G2 VIM640AT

8. 遠赤外線カメラ VIMシリーズ「PICO640」「ATTO640」 センサ比較 ご紹介(映像)

遠赤外線カメラ VIMシリーズ「PICO640」「ATTO640」センサ比較 について、上記の内容を動画で紹介しています。

その他、ご不明点がございましたら、弊社までお問い合わせください

上記の動画は、YouTube のページでもご覧いただけます。

YouTube【遠赤外線カメラ VIMシリーズ「PICO640」「ATTO640」 センサ比較】

9. 遠赤外線カメラ+ズームレンズ組み合わせ[VIM640AT+LZOPH15_60-140]製品紹介(映像)

「VIM640AT」はATTO640センサ(ピクセルピッチ12μm)を搭載することにより、使用可能なレンズが増えました。実装可能なズームレンズも増えるため用途の幅が更に広がります。

遠赤外線カメラVIM640AT+ズームレンズLZOPH15_60-140の組み合わせ製品を動画で紹介しています。

その他、ご不明点がございましたら、弊社までお問い合わせください

上記の動画は、YouTube のページでもご覧いただけます。

YouTube【遠赤外線カメラ+ズームレンズ 組み合わせ[VIM640AT+LZOPH15_60-140]製品紹介】

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